笹塚駅の引き上げ線に取り残された人々は何を想うのか。気になる気になるなんでだってば

 

 都営新宿線という路線をご存知だろうか。その名の通り新宿を通って東は本八幡まで行っている地下鉄である。そしてこの地下鉄、西は私鉄の京王線と相互乗り入れをしており、通常は笹塚が終点となっている。もちろん、そのまま京王線内を直通運行する場合もあるが、やはり多くは笹塚で折り返すことになる。

 笹塚で折り返す場合、一旦ホームから離れて引き上げ線で折り返し作業を行うことになる。つまり笹塚で乗客はすべて降車することになるのだ。

 しかし、日中以降はどうなのかわからないが、どうも朝は笹塚で乗客の降車確認を行なっていないようなのだ。

 どういうことかというと、引き上げ線内に停車している車両に乗客が乗っていることがよくあるのだ。チラホラと。毎朝停車している車両を見てみるのだが、必ず2,3人は取り残されている。通勤、通学の途中だろうに、ぽつねんと引き上げ線で取り残される気分とは果たしてどのようなものなのだろうか。非常に気になる。

 そして気になることはまだある。発車が近づくと車掌が車両後部へと車内を移動していくのだ。つまり途中で乗客と遭遇することになる。はてさて一体そこではどのような会話が発生するのだろうか。これまた気になる。

 そしてもっと気になることがある。電車は折り返し作業が終わると本八幡へ向かうために上りホームへと入ってくるのだが、通常は笹塚が始発になるためホームには乗客が列をなして待っているのだ。それこそ朝のラッシュなので溢れんばかりに。そして、取り残されていた乗客は下り線を利用していたはずなので、遅れを取り戻そうと引き続き下り線を利用しようとするならば、一旦ホームへ降りて反対側のホームへ行かなければならないのだ。

 つまり、始発の電車に乗ろうとして並んでいる溢れんばかりの乗客たちの前に、ホームに入ってきた無人であるはずの始発電車から何故か乗客が降車してくるという何ともシュールな状況が発生するわけなのだ。コレちょー気になる。

 そしてこれが何とも残念なことに、未だにこのシュールな状況をワタシは肉眼で確認したことがない。このシュールさを体験できていないことについては、ワタシは非常に残念で悔しくてやるせない気持ちでいっぱいになる。

 どうにかして見てみたいものだ。あと、取り残された人から感想を訊いてみたい。ってか、自分で取り残されてみれば解決するような気もするが、そこまで鉄のメンタルを持ち合わせていないというジレンマにも苛まれたりするわけで、やはり体験談を訊いてみたいというところへ再び落ち着くのであった。