固きゃいいってもんじゃない。そんなの強くない。

 

 強い信念や拘りは無い方が良い。なぜなら、異なる価値観や思想を受け入れられなくなるし、認めることが難しくなるから。己とは異なる他者を許容できなくなる。

 しかし、信念や拘りをなくしてしまうとアイデンティティの危機に瀕してしまうケースもある。

 

 ではどうするべきか?

 

 信念や拘りを柔軟に持つことができるのであれば、それが一番の理想なのではないか。さながらコンニャクのようにグニャグニャしていながらも形は保っている。外から強く押されても意に介さない。グニャっといなしてしまう。強靭に跳ね返すのではなく、衝突力をスルッと逃してしまう。そんなスタンスが取れれば一番良いのではないだろうか。

 

 これができないと、自分を守るために他者を批判したり攻撃したりするので厄介なことになる。硬質な強さよりもグニャグニャ軟体気質の方が圧倒的に強い。

 結構、世の中の人は強さを履き違えているような気がする。固くなればなるほど、壊れやすくて脆い。何者よりも固く強くあろうとするのは愚行であり滑稽だ。

 それに硬質であろうとする強さには際限がない。どこまでも突き詰めようとしてしまう。ゴールなんかないのに。

 軟体動物のように掴みどころのない、一見バカにされるようなグニャグニャ加減が本当は望ましい。

 

 そういふものにわたしはなりたい。