人生は削り節みたいに有限で生利節

 

 人生が有限なのは知ってるし、明日が永遠に続いていくわけじゃないことも理解している。でも、偉大なるマンネリズムから脱却することができない。ルーティンは日々繰り返される。毎日同じ時間の同じ景色を、どよんとした濁った目で眺めながら電車に揺られてご出勤。後は時間までゴソゴソやって終わったら帰る。それの繰り返し。

 

 最近は1年があっと言う間に過ぎていく。気が付くと、つい最近のことだと思っていたことが3〜4年前のことだったりする。そのくせ1日は長い。いや、正確には働いている時間が長い。仕事以外の時間はあっと言う間だ。

 

 寿命を毎日削って焚き火にくべているのに、その実感が皆無だ。命に鉋をかけて削り節みたいしてグラム売りしているのに、まったく実感がない。このままでは、いつか削れなくなったなった時に泣くに泣けないのに。

 

 日々を惰性で過ごして、考えることを放棄して怠惰に生きる。気が付くとそんな毎日を送っている。ツケはそのうち払わなければならない。知識としては知っている。けれども意識して生きていない。もうだいぶ削ってしまった。残りはまだあるのだろうか。

 

 思い残すことがあるのだろうか。死んでも死にきれないって思うのだろうか。やり残したことがたくさんあるような気がするけれど、ホントにそうなのか。いま突然だとしても別にいいような気もする。いやホントか?

 しかし、化けて出るって相当メンタルが強靭じゃないとできなそうだな。死後もできないことだらけかよ。なんだかヤダなぁ。