その昔、古本屋で働いていたんですよね、実は。

 
 んーなぜか急に古本屋でバイトしていたことを思い出した。そこはなんとかオフみたいなチェーンではなくて、個人経営の小さいお店でした。店番が一人だけというなんとも気楽なトコロでした。
 
 買い取った本を商品化(拭いたりして袋詰め※コミックのみ)したら、あとは棚の整理をしたり読書に耽ったり…。なんせ読み放題だったからなぁ。お金もらって本読んでたようなもんだったわ。楽しかったなぁ。
 あと、バイトなのに買取り金額を決める裁量があったのも面白かった。勝手に独断と偏見で値段を決めてた。っといっても、ザックリした基準はあって、あまりおかしな値段で買い取ると店主のやんわり教育的指導が炸裂しましたがね。
 
 でも、この基準もあってないようなもので、人気のある本、作家、古い新しい、在庫多い少ない、みたいなトコロを加味して算出するわけです、経験と勘で(笑)
 在庫管理なんてしてないから、もうホントに経験と勘。そのお店は文庫とコミック(特に少女漫画とヤングアダルト的なやつ)が多くて、一時期は少女漫画のレーベル、作家、タイトルなんかの組み合わせをバッチリ覚えていましたが、今やすっかり忘れてしまった…。売れてるやつはけっこう読んだんですけどね…今や忘却の彼方に…。まぁ見たら思い出せると思うけど。
 そういや、新刊の発売日とかもチェックしてたなぁ。発売日に入手したら、すぐに読んでソッコー売却ってヒトが結構いて、発売日には新品同様の本がけっこう入荷していました。
 そうそう、個人の小さいお店で本を高く売る方法は、新しい本を少数だけ持っていくことですよ。っといっても、全国共通のハックではないだろうけど…。たくさん持っていくと単価は下がります。ダンボール箱単位できたら、一冊一円換算なんてこともありましたよ。大量にあると確率的に廃棄も多いので、ロスを織り込んでの値段になりましたね。全部のタイトルを詳細に確認もしていられないという事情もありましたし。まぁ、ビニールカバーが掛かった全巻セットのコンボとかは別ですけどね。
 
 っとまぁ、とにかく売る時は少数にした方が絶対によいです。新刊一冊だけとかパンチありまくりです。7掛けぐらいで買っていたと思います。発売日に新刊売るヒトは、大抵売ったお金でお店の古本を買ってました。下手すりゃ4冊ぐらい買えたりしますからね。投資効率がよいですな。
 
 あーそうだ、思い出した。そのお店ではハーレクインのシリーズがめちゃくちゃ動くんですよ。たくさん入ってくるし、まぁよく出る。知ってます?ハーレクイン。こんなワタシがすてきな王子と…みたいなオンナのひとのこじれた妄想集みたいなやつなんですが、あんまりよく売れるんでどんなもんか一回読んでみたんですよ。んがしかし、ワタシには無理でした…5ページぐらいで挫折しました。って、まぁ当然なんですけどね。どう考えても対象読者じゃないから。
 唯一ワタシにわかったことは、老若男女問わず人間には妄想が必要だってことだけです。あれの位置づけは染色体XY型の場合だと、青年向け漫画やラノベにあたるんですかねぇ。設定は似たようなもんですから。いや、もっと対象年齢層はハイトなのかな?んーよくわからんが、とにかく売れました。BL小説や漫画もよく売れましたねぇ。しかし、それ系は表紙を見るだけにしておきました。禍々しい殺気を感じたんで…。
 
 懐かしいなぁ。でも、今じゃ小さい古本屋はどんどん淘汰されちゃっているんでしょうねぇ。なんとかオフみたいなトコロがババーンっと増えたから。お店ごとに特色や個性があって古本屋っておもしろいんですけどね。ちょっとホコリくさくて、どことなく猥雑な感じが漂っていて、未知との遭遇を期待させる…あの雰囲気はなんとかオフにはないな。どっちが良い悪いって話じゃないけど。