サービスはタダじゃないのですがね、えぇ。

  先日、居酒屋に行ったんです。普段は外で飲むことはほとんどないので久々でしたよ。まぁ、家ではほぼ毎日飲んだくれているんですがね…(アル中なんじゃないかと心配になるわ)。んで、あんなこんながいろいろしょぼくれているので、某大手チェーンが展開している280円均一のお店に行きました。

 席についてメニューを見ると、原価がだいぶ異なるであろう商品がバランス良く並んでるなぁ、っという印象でした。280円で利益が出るように考え抜いているんだろーなーっとフムフム言いながら見とれていると、連れ(♂)がiphoneの電池がヤバいと騒ぎだしました。電池もヒトを見るからねぇ〜とか言いながらスルーしようとしたら目に入りました。「ケータイ無料で充電できます!」っというPOPが。

 店員さんを呼んで一通り注文してから充電をお願いしてみました。もちろん店員さんは快諾。お預かりしますねーっと言って持っていきました。注文時のやり取りを含めて店員さんの受け答えは親切で丁寧。280円均一のお店として考えると、ヒトや教育にかかるコストって切り詰めたいところのはず。これは店員さんの素養なのか、お店の教育なのか、その後も接点が発生する店員さんはみんな親切丁寧。価格帯がもっと高めのお店と比べても、特段遜色はないレベルだと思う。

 んでもって、しばらくしてトイレに行ったのですが、トイレもきちんと清掃が行き届いていて、雑居ビルに入っているちょっとお高いお店なんだけどトイレは共用、みたいな残念なトイレとはぜんぜん違いました。ゴソゴソポロンジャーっとやっていると目線の先にPOPがありました。来店のお礼とサービスに不備がなかったかっといった問いかけでした。ん〜280円均一でここまでやるのか、っとちょっと驚きました。そして同時に思ったのが、これってどーしてこうなるのだろうか?っということでした。お店の考えるサービスレベルがそもそも高いのか、それとも、お客が値段に関係なく高いレベルのサービスを要求してくるからなのか…。

 客単価はやっぱり高くないんです。我々は結局ひとり3,000円がいいとこでした。iphoneも充電100%でバッチリ返ってきました。でも280円均一なんですよ?利用する側にとってはありがたい限りですが、これって提供側はどーなんだろーか。普通のお店と変わらない(いや、むしろ以上?)のフルサービスで客単価はそれほどでもない。まぁ、ランチの値段と比べれば3,000円だって高額だし、客単価がもっと安いお店もある。しかし、このサービスが当たり前っという感覚はなんだか怖いもののような気がします。たぶんサービスってタダじゃないんですよ。それなりにフィーが発生するものなんですよ。なのに客単価にかかわらずフルサービスを求める。この感覚はあぶなくないですかね?求めれば求めるほど、誰かが泣かされてるんじゃないんですかね?不幸になっているんじゃないですかね?んー考え過ぎか?大げさか?いや、違う気がする。

 そして昨日、ワタクシまた飲みに行ったんですよ。いや、ごちそーしてもらっちゃったんですがね。さんざんハシゴしたあげく最終的にBARに行ったんです。あんまりいいBARじゃなく(バーテンさんの気遣いや配慮がすごいトコロではないという意味で。ありますよね、そーいうすごいお店)、基本はお客は放置プレイでした。ドライマティーニを2杯飲んで3,000円でした。まぁ、歌舞伎町だったんでそれなりにするのは場所代だと理解します。が、ん〜しかし、バーテンのおねいさんが2人のお店だったんですが、これといったサービスがあるわけでもなく(えっちぃ意味じゃないですよ、念のため)、お酒も特別高級なものでもなく(いや、そこそこですけどね)、この値段ってなんなんだろーかと。自分はどういう価値に対して3,000円払ったんだろーか?(いや、ごちそーしてもらったんで自分で払ってないんですがね…)奇しくも280円均一で受けたサービスと同じ値段。この違いはなんなんだろーか?自分の価値に対する感覚がよくわからなくなりました。麻痺しているんじゃないかと。自分が同じ値段で享受した価値っていったいなんなんだろーか?

 モノの価値もサービスの価値も、実体が自分にはわからなくなりました。自分で決めて自分で判断するってことなのはわかっているのですが、どーにも奇妙な気分になるのです。モノもサービスも、ただただ消費していく。これでいいのだろーか…。どーにも落ち着かないのです。