残酷ものがたり

 トップが自分で決められない組織って、すんごい残念なわけです。そりゃもう、これでもかっ!!ってぐらい残念無念なわけですよ。自分の意思でビジネスやってないんで、まぁ決められんわなぁ。波風立てずに定年まで逃げ切りたいわけですよ。危ない橋なんて渡りたくないのに、「イカす橋がありますぜっ!社長!!」なんて言ってくるヤツがいたら殺意を覚えたりするわけですよ。

 んで、どーするかってーと、ぜんぶ凍結しちゃうんですね。なんだかんだと、ごにょごにょ言って、先延ばーし先延ばーしにするんですわ、これが。んで、キングメーカーの皆さんに何かの機会に水を向けられたら、「いやー実はこんなことも検討してみたりはしているんですよ、検討だけは」なんて言って”イカす橋”をチラっチラっと匂わせたりして、切れ者感を演出する小道具にする。でも絶対にやってみたりはしないし、そうならないようにたち振る舞う。うまい。さすが。伊達にトップに上り詰めていない。なんたって、自分が同じことできるのか?って聞かれたら、脊髄反射で「できません!ごめんさい!」って額を地面に擦り付けるレベルですもん。非難も揶揄もできません。はい。自分、腰抜けなんで。

 あーそうそう。これって儲かってる会社でのことです。このご時世、そんな悠長なこといってられる幸福な会社の方が珍しいですからね…。幸福な悩みというか贅沢というか…。まぁ、数年後には傾くこと請け合い!なんですけどね。

 なまじ儲かっちゃってると、いろいろ鈍感になっちゃって、ゆるゆるっすーって状態になってしまうものなのですよ、かーさん。他所がこけちゃってる分、更に勘違いも始まっちゃたりなんかして、もう収拾つかなくなっちゃうわけですよ。そうなると、スピード感をもって決断しなきゃいけない理由がなくなってしまうのです。だって今現在は儲かっちゃってるからさぁ。困らないんだよね。傾き始めないと決めることの重要性を理解できないんだよ、かわいそーだけど。

 んで、ホントにかわいそーなのは、その組織でがんばって儲けを出しているヒトなんですよね。今あるモノの効率化をすすめて改良・改善を繰り返すことで利益を生んでる。でも、新しいモノは生み出せない。トップが決めないから。改良・改善がピークを迎えたら、あとは緩やかに下降するってことは十分理解しているから、次の手を打ちたいんだよね、がんばってるヒトらは。でもトップは決めない。考えているのは逃げ切ることだけ。だからがんばってるヒトらの唯一の希望は、あのヒト早くいなくならないかなぁ…ってことだけなんですよ。いやー残酷すぎるわ、いろいろ。そして残念。残念だなームダで。だから日本は衰退していってるんじゃないのか?っと思う週の真ん中水曜日です。